没入感というキーワード
両ゲームとも同じオープンワールドアクションRPGとなっていますが、ゲームの舞台が王道ファンタジーの世界と日本の幕末とまったく異なっています。
この時点で好みが分かれると思いますが、舞台の違いだけでゲームをプレイするかどうか決めるのはもったいないですし、危険性もあるので少し深掘りしてみましょう。
深掘りしたいポイントはゲームへの没入感です。
両ゲームの開発者インタビューを読んでいると、共通して出てくる単語がこの没入感。
プレイヤーがよりゲームへの没入感を体験できるように追求した結果開発されたのがこの2つのゲームなのですが、実はそのアプローチの方法がまったく異なっています。
ここが面白いポイントで、また人を選ぶ要素でもあります。
ここを理解できないと後で後悔してしまうと思うので気をつけてください。まずは世界観について説明します。
世界観
ドラゴンズドグマの世界観
ドラゴンズドグマは、没入感を体験してもらうために、世界観を徹底的に作り込んでいます。
①NPCの作り込み
まず伝えたいのがNPCの作り込みです。
このゲームでは登場するすべてのNPCがAIによって独自の目的や動機を持っていて、実際にゲームの世界で生活しているように行動しています。
②制限されたファストトラベル
そしてもう一点特徴的な要素が移動に対する考え方です。
オープンワールドゲームはフィールドが広くて、移動が退屈だということで、必ずと言っていいほどファストトラベルの要素があると思います。
ですが、今作ではこのファストトラベルをするためには高価なアイテムを使用しなければならなく、ほとんど徒歩での移動を強いられることとなります。
これは、移動が退屈だと言うなら、その過程を楽しくすればいいんじゃないかという考えから来ています。
要所要所で何か発見できるものを設置するとか、毎回違う体験になるような敵の出現方法を工夫するとか、退屈しないように常に何かが起こるゲームデザインにすることにすごく力を入れています。
ファストトラベルよりも安価な移動手段として“牛車”という乗り物も登場しますが、牛車に乗って移動している途中にもゴブリンに道を遮られて戦闘が始まることがあり、プレイヤーはゴブリン討伐を手伝う必要があります。
それだけでなく、グリフィンが飛んできて一撃で牛車ごと破壊してしまい、歩いて移動しないといけなくなるというようなことも起こるようです。
Rise of the Roninの世界観
対して、Rise of the Roninは、プレイヤーに幕末を生きているというゲーム体験をしてもらうことで没入感を感じてもらおうとしています。
①幕末の世界を体験できるゲーム
このゲームの一番の楽しみは、史実をモチーフとした物語の中で、歴史上の人物たちと出会いながら浪人になりきってプレイができる点です。
その時代に生きた人々にフィーチャーし、その人たちとプレイヤーが接することこそが、自分が幕末にタイムスリップしたかのような体験になると開発者は考えています。
そして、この体験によってプレイヤーをゲームに没入させようとしているということですね。
②移動はストレスを感じないように調整
そして、今作ではこれらの要素にプレイヤーが集中してもらうために、オープンワールドの移動については、プレイヤーがストレスを極力感じないように調整されています。
初期から鉤縄を使って高いところに登れたり、序盤で馬を使った高速移動や、阿鼻機流と呼ばれる滑空用のからくりもなんと序盤で入手が可能のようです。もちろんファストトラベルも充実しています。
ドラゴンズドグマ2とRise of the Roninの世界観の違い
このように世界観ひとつとっても2つのゲームにはかなりの違いがあることがわかります。
このリアリティとファンタジーの折り合いの付け方の違いが、ドラゴンズドグマとRise of the Roninの大きな違いでは無いでしょうか。
これはどちらが優れているとかではなく、プレイヤーそれぞれによって好みが違ってくると思います。
ストーリー
続いてストーリーを切り口として2つのゲームを比べてみたいと思います。
2つのゲームはどちらもプレイヤーの選択肢によってストーリーが分岐するシステムとなっています。
これも没入感を体験するための仕組みとして機能しています。
ですが、このプレイヤーの選択に対する考え方もそれぞれ違っているので紹介していきます。
ドラゴンズドグマのストーリー
ドラゴンズドグマでは、クエストでの自分の行動がその後の展開に影響してきます。
例えば、あるクエストの解決策として、正攻法でクリアする方法もあれば、殺害するなどの乱暴な方法で解決することもできるようです。
ですが因果応報という言葉のように、自分が決めた行為には「相応の結果が伴う」こととなります。
今回の場合は殺害されたNPCの死体がそのまま死体安置所に残ることとなります。
この状態なら蘇生アイテムを使用することによってNPCを蘇生させることができますが、数日間たつとその死体も埋葬されてしまい、2度と生き返すことができなくなってしまいます。
この場合、別のクエストの進行上、どうしても必要なNPCが死んでしまった時にそのクエストをクリアできなくなってしまう恐れが出てきてしまうということになります。
通常だったらクエストをクリアするのに必要なNPCがいたら、ゲーム上のシステムで不死身にするなどの処理を行うと思いますが、先ほど説明したように、ゲームの没入感を体験してもらうためにそのようなことはしていません。
この点、ドラゴンズドグマは徹底していますね。
Rise of the Roninのストーリー
Rise of the Roninもプレイヤーの選択によってストーリーが変わるシステムとなっています。
本作の主人公は浪人なので、主人もいないですし、主義主張を持っていません。佐幕派・倒幕派のどちらの陣営にも属していません。
そのため、物語の中で思想に共鳴した陣営に所属してもいいです。
ですが、一介の浪人の介入だけでは歴史の大きな流れまでは変えられない設定となっています。
つまり、日本が鎖国を続けて開国されないとか、江戸幕府が残り続けると言ったことは起きず、歴史通りに物語が進んでいくということです。
しかし、主人公がどの陣営、人物と因縁を結んだかによって、その過程が少し変わっていきます。例えば選択によって、ある人物が仲間になったり、逆に亡くなっしまったりします。
このようにRise of the Roninでもプレイヤーの選択肢は今後のストーリーに大きな影響を与えますが、本作では、過去のミッションをやり直したり、一度選んだ選択肢を選び直しできる仕組みが実装されています。
この点でも、これら2つのゲームの考え方が違っていることがわかります。
どちらが自分の考えに合っているのかを考えて購入することをお勧めします。
最後に
今回は世界観とストーリーという切り口でドラゴンズドグマとRise of the Roninを購入する前に気をつけたい点を紹介しました。
この記事が皆さんの参考になれば嬉しいです。
今回の記事はYouTube上でも公開しています。
今後もゲームのお役立ち情報をアップしていきますので、よければYouTubeの方もチャンネル登録と高評価をお願いします。
それではまた別の記事でお会いしましょう。